バンジョーの練習をしている中で、メロディー弾きと伴奏両方の練習をなるべく交互に行うべし
と先生から教わった。
スマホで伴奏を録音してそれを流しながらメロディーを練習するという方法が1番簡単なのだが、それだとなんかつまらない。
もともとエレキギターの道具は揃えていたのでアンプはある。
バンジョーにピックアップをつければ、それをルーパーに取り込み、綺麗な音で演奏ができるのではないだろうか。
…と安直に考えてピックアップを調べてみる。するとバンジョー用のピックアップなんてほとんどなく、そして高い。
もう少し調べていると、ピックアップにはいくつか種類があるとのことだ。
まずはマグネチックタイプ。
これはエレキギターに付いているものと同じで磁力によって弦の揺れを検知し音になる。
弦の揺れを検知するには弦が磁石に反応する必要がある。
バンジョーの弦は鉄の弦なのでこの方法でも問題はなさそうだ。
しかし、弦の揺れを検知するということは、バンジョー特有の太鼓のようなヘッドによる音のニュアンスはうまく拾えないような気がする。
そして何より、ピックアップと弦の距離を調整して設置する必要があるため、取り付けるのが難しそうだ。エレキギターでさえこのあたりの調整は難しいのでバンジョーではさらに難しくなることが想像できる。
ほかにはピエゾタイプというのがある。
これは圧力を検知し音になる。形は棒状と円状のものがあり、棒状のものはピックアップを搭載しているアコースティックギターではブリッジ下につけられており、ブリッジからの弦の揺れを直に得ることができるというメリットがある。
円状のものは後付けで貼り付けるタイプのピックアップとして使われているようだ。円状の場合、取り付ける場所はブリッジの真下ではなく、ボディにつけることが多いようだ。
実はこのピエゾピックアップ、ピエゾ素子と呼ばれ電圧をかけるとブザーとしても機能するのだ。
たまごっちやデジモンなど音のなる電子機器をバラしたことがある人は、薄くて丸い鉄板がケーブルにつながれているのを見たことがあるかもしれない。これがまさにピエゾ素子なのである。
モーターに電気を流せばモーターが動き、逆にモーターを動かせば電気が生まれるのと同じように
電気を流せば音が鳴り、圧力をかければ音の信号が生まれるというわけだ。
話は逸れたが、円状のピックアップであれば安価に入手できる。
実際にAmazonで検索してみると15個入りで900円ほどと非常にお手頃な値段で販売されている。
ピエゾ素子ではなく、ピエゾピックアップとして楽器屋さんで買おうとすると7,000円以上することがほとんどだ。
つまり、材料自体は高く無いが楽器に合わせたチューニングが難しいということだろう。
その中でもバンジョー用と書いてあるものはほとんどない。
ならばギター用のものを買ってもちょうどよくチューニングされているという保証はないのだから、部品単位の購入で十分であろうと考えられる。
幸いバンジョーは簡単にバラすことができ、ブリッジの裏側に容易に設置することができる。
というか、今回ピックアップをつけようとしているのはオープンバックバンジョーなのでばらす必要さえない。
そんなわけで、バンジョーのピックアップにはピエゾ素子を選択し、購入することにした。
さて、ピエゾピックアップ(ピエゾ素子)で得た電気信号をアンプに送るためにはシールドケーブルを繋げられるようにしなくてはならない。
モノラルのフォーンジャックも必要となる。これは秋葉原で調達してきた。
ピエゾ素子がひとつ60円、ジャックが90円、合計150円でピエゾピックアップが完成した。
(実際には熱収縮チューブやインシュロックなども必要になるためもう少し費用は高くなる。それでもかなり安価に仕上げることができる)
作り方は書くまでもないが、ピエゾ素子とフォーンジャックを繋ぐだけだ。今回購入したピエゾ素子には30cmの線が半田付けされている。
この線が赤と黒なので、フォーンジャックのプラスに赤をマイナスに黒を繋いだ。線はネジネジと寄って1本になるようにまとめている。
あとは熱収縮チューブで固定と補強をする。
バンジョーへの設置はピエゾ素子をブリッジの裏側やや下の平らなところにひっつき虫を使い貼り付けた。ひっつき虫は3片ほど使い、丸くこねた後、平にしてピエゾ素子の線が繋がっていない側に貼りバンジョーへ押し付けて固定している。ピエゾ素子から伸びた線をバンジョーの内側の棒に巻き付けながらインシュロックでジャックは固定した。
正面から見るとピックアップを貼った位置が透けて見えるが、まぁ遠目で見ればそこまで気にならないかなという感じだ。
※ひっつき虫はAmazonでは1個から買えないので、100円ショップ(セリア)で買うのがオススメです。(もしかしたら内容量がすこし少ないのかもしれませんが十分な量が入っています)
お手製ピックアップがバンジョーにセットできたので、エレキギター用のワイヤレスアンプ、KATANA-AERに繋いでみた。
音の印象としては残念ながら痩せている。音量も取れていない。
やはりエレキギターの主流であるマグネチックタイプのピックアップ用に作られているからか、ピエゾピックアップの出力では弱かったり、チューニングがイマイチなのであろう。当たり前と言えば当たり前の結果である。
まずはお手製のピックアップで音を拾うことができたので良しとしよう。
ちなみに400円くらいであとは設置するだけの出来上がったものが買えるので、こちらの方が楽ではある。
次回、プリアンプの購入。お楽しみに。
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